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【腰椎椎間板ヘルニアは何もしないで治す?!】

【腰椎椎間板ヘルニアは何もしないで治す?!】

2019/07/15

腰痛の原因の一つに、腰椎椎間板ヘルニアがあります。
背骨を構成する骨(椎骨)の間には、クッションの役割を果たす椎間板という軟骨があります。椎間板は、外側に厚い袋状の線維輪という組織があり、その内部にゼリー状の髄核という物質が入っています。
椎間板がつぶれ、髄核が線維輪を突き破って飛び出した状態が椎間板ヘルニア(線維輪の一部が膨らんだものは国際的にはヘルニアといいません)。ヘルニアが背骨の内側を通る神経を圧迫したり、炎症を起こしたりして、腰痛、下肢(足)のシビレやマヒ、筋力低下などの症候が現れます。
かつては、腰椎椎間板ヘルニアに対して、手術が行われることも少なくありませんでした。しかし今は、よほどの場合を除き、できる限り手術は行わないようになってきています。アメリカでも9割の手術はしなくてもよかったと結論付けています。
近年、「椎間板ヘルニアの多くは数ヵ月程度で自然に縮小、消失する」と明らかになっりました。これは、免疫細胞の一種であるマクロファージ(貪食細胞)が、飛び出したヘルニアを食べてくれるためです。
ただ、ヘルニアの起こり方によって、マクロファージが働きやすいものと、そうでないものがあります。マクロファージが働きやすいのは、ヘルニアの飛び出し方が大きく、椎間板の後方を走る後縦靭帯を突き破っているもの。重症のように思えるヘルニアのほうが、治りやすいです。

後縦靭帯を突き破った髄核の周囲には血管が新生し、その血管からマクロファージが髄核に集まり、飛び出した髄核を異物と認め、食べ始めます。

こうしたマクロファージの働きによって、7〜9割の患者さんのヘルニアが、3〜6ヵ月以内に小さくなることが確認されています。仮にヘルニアが小さくならなくても、周辺の炎症が治まることによって、症候が改善する患者さんも多くいます。

ですから、症状が痛みだけなら、痛み止めや装具(コルセット)などの保存療法で「痛む時期」さえしのげば、腰椎椎間板ヘルニアは自然治癒ということになります。実際、約3ヵ月の保存療法で患者さんの9割は症候は改善します。

腰椎椎間板ヘルニアで手術を検討するのは、
「3ヵ月ほど保存療法を行っても効果がない」
「しびれやマヒなどの神経症状が進んでいる」
「排尿障害がある」
「患者さん自身が強く要望している(早急に症状を取りたい)」といった場合などです。

手術で約9割の患者さんは痛みが改善しますが、すべての痛みが完全に取れるわけではありません。加えて、しびれの改善率は痛みより良くはないです。

手術のメリットとデメリットについて担当医とよく話し合って、納得した上で手術を受けることが大切です。

ニセモノの症候の存在
椎間板ヘルニアが写っている、椎間板が膨隆しているときには、身体は護りモードを発動させます。これは防衛システムなのですが、負担を繰り返しますと、ブレーキをかけるべく痛みを発生させます。これが過剰になったとき、ヘルニアの症候が強いと感じる場合があります。これは腰椎椎間関節の関節機能老化(滑膜関節機能障害)で、調整すると即座に改良されますので、本物かニセモノかを判別することができます。保存療法において、自然回復も促進するので、一度する検討されてみるといいと思います。また本物の症候の場合は、圧迫している神経(腰髄1~5)で下肢のどこの部位にしびれが出るなど決まっていますので判別は難しくありません。一致しない場合は、タウトニングでよくなる可能性は高くなります。一度タウトニングしてみるといいかもしれません。

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