前ぶれなく手首が痛くなる
2022/01/21
手首痛。8つの骨が存在
鍵となる舟状骨と月状骨
これをしたら痛いとはなく、前ぶれなく症候が出現し、頭痛のような感じと10代の男性。半年と少し経過しているとのことでベースを弾くのが原因の一つかもしれません。
手首といっても、手根骨という8つの骨が存在して、そこにさらに橈骨が近位部に、中手骨が遠位にあります。骨と骨の間は、滑膜関節という肩の関節と同じ構造の関節になっています。その中でも重要な関節は、橈骨と舟状骨、月状骨になり、他には舟状骨・月状骨ー有頭骨の間になります。これらの関節に引っ掛かりが起きますと、手関節の可動域制限がみられたり、筋出力がみられたりします。さらに負荷がかかったり、侵害刺激が加わったりした場合には、警報として痛みが出現することが多々あります。
ですから、手首が痛いといった場合に、ストレッチをすることがもっともやってはいけないアプローチになります。筋肉や関節包に伸張刺激を加えると、2〜3ミクロンの繊維の断裂を招いてしまいます。私が2001〜2014年に研究をした結果、2つの機能を同時に上げるという結果は認められませんでした。アメリカ疾病予防管理センターの発表においても2002、2004年にストレッチに効果がないという研究論文が発表されています。未だに民間療法から本邦の医療機関に至るまで何も変わっていないことが残念になりません。
当オフィスで行っている施術は、タウトニングという手法になります。タウトとはピンと張るという意味で、ストレッチの手前まで動かす新しいコンディショニングです。関節の形状や範囲、動かす方向が重要なポイントで、暴力的に動かすと即座に悪化してしまいます。
今回のケースでは、月状骨と橈骨との関節が引っ掛かりが最も強く、動かしたときにギシギシ音が鳴っていました。調整後にはその音も減少しました。肋骨と胸椎との肋横突関節の機能老化が起きましても、手首の動きが制限されやすいので、普段から、肩甲骨を介して肋骨を動かすことが大切です。もう一つのポイントは手首の潤滑油を出すことです。手首を真っ直ぐした状態で、橈骨の方向に数秒間軽く近づけます。こういったセルフケアを30分に一回でもよいので、症候がない場合でも出来ると悪化を防げたり、自然回復が早くなったりします。手首を酷使する場合やや同一姿勢を強いられる場合にはとくに要注意です。よかったら、参考にしてみて下さい。
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