転倒し胸部を打撲。起き上がり時の痛み
2022/06/06
前方に転倒し、胸部を打撲。起き上がり時に痛みが生じる。
胸部の痛みはしばしば肋軟骨と誤診される。
前方に転倒し、両手をついたものの胸下部を強打した90代女性。起き上がり時に痛みが再現されました。胸骨に近くでは肋軟骨という軟骨になっていまして、レントゲン上に写りません。ですから、そこに痛みが現れた場合に、その肋骨の骨折と診断する医師も少なくありません。しかしながら、それは誤診といってもいいかもしれません。胸骨と肋骨との関節がありますが、ここに引っ掛かり(滑膜関節機能障害)が起きますと、その部分や肋骨に沿って痛みが出ることがしばしば見られます。
骨折であれば同じ肋骨で、離れた箇所を指でトントンと叩いても骨折部に顔をしかめてしまう程度の痛みが出ます。滑膜関節機能障害では連結部に痛みがあったり、周囲の筋肉に張りを作り、そこに痛みが出ること多いです。そのため筋肉が収縮する動作で痛みが出やすいです。これに対して、骨折は骨膜の振動で痛みが出ますので、筋収縮をしたのちに骨膜が動けば痛みが出現しますし、筋収縮なしでも骨が動く物理的刺激が加われば痛みは出ます。
今回は第5、7胸肋間節と第7/8肋骨間関節のタウトニングJアプローチで調整すると、痛みは軽減し起き上がりが可能となりました。さらに、筋収縮にゆとりを持たせるためにタウトニングSを施行しました。「良くなりました」と足取り軽く帰られました。3日は無理に使うことはお勧めできませんが、8割程度で使っていくと自然回復や維持もしやすいのでお勧めです。