【姿勢と腰痛は関係ない?!】
2021/09/21
姿勢と腰痛
姿勢崩す原因がある
姿勢と腰痛はまったく関係ない
姿勢が悪いから腰痛になったり、歪んでいるから腰痛になってしまったりすると思われている人も少なくないと思います。これは医学がまだ十分発展していなかった時代、1890年代の流れで、背骨の歪み(姿勢の崩れ)から不調を来たすという考えになります。猫背だから...反り腰だから...ということが長い刻を経て認知されたということになります。しかしながら、この「姿勢と腰痛はまったく関係ない」ということが明らかになっています。1980年〜2000年までのデータを分析した研究を2008年南デンマーク大学がしています。カイロプラクティクスなどで姿勢を矯正しても腰痛は解消しないということになります。
腰痛は心理的問題
では、何が原因かといいますと、2007年の腰痛診療についてヨーロッパガイドラインでは、「85%には明確な原因がなく、大半は心理的な理由によるものである」としています。わずか5%しか物理的要因としていません(椎間板ヘルニアなど神経圧迫など)。そのため、メンタルケアをすればいいという結論です。
さて、本当にそうでしょうか?痛み自体は確かに物理的物体として存在していないため、脳が危険と認識したときには、警報のように痛みは出現します。そのため、おまじないでも、マインドコントロールでも消すことは不可能ではありません。姿勢が悪いわけでもなく、ただの心理的な問題なのか?これは正しくありません。
物理的負荷が姿勢を崩す
いわゆる悪い姿勢を取ったとき、一瞬で悪くなりますか?ギックリ腰などそういうこともあるかもしれませんが、そんなことばかりではないですよね?寝てるときにうつ伏せになったとします。その瞬間に痛みが出るわけではありません。他にも中腰になったときを思い出して下さい。多くの人は一瞬で痛くなることはないと思います。しかし、半日でも中腰作業をしたらどうでしょう、1日強いられたらどうでしょう?これは何が起きたかといいますと、物理的負荷が掛かった、しかも長時間ということになります。姿勢によって椎間板への負荷が変わることはよく知られていることですが、腰椎椎間関節の機能障害が起きます。滑膜関節機能障害といって機能の老化と思っていいと思います。他動性障害と滑液循環障害で、引っかかりが起きて周りの筋肉に張り(筋スパズム)を作ります。この正常より強い張りの影響で、骨を引っ張りあげたり、偏移させたりします。その結果、姿勢が崩れるということになります。
①悪い姿勢→②長時間もしくは高負荷(=物理的負荷)→③関節機能老化→④筋肉の張り→⑤姿勢の崩れ(歪み)→⑥痛み→炎症→⑦病理学的変化という感じになります。
心理的なアプローチで消すことはできるものは⑥の痛みのみであり、張りなどを正常化させることはできません。当オフィスでの関節の調整法であるタウトニングでアプローチをすれば、秒単位で筋肉の張りが正常化させることができます。場合によっては、張りは正常化しても、痛みは残存することはあります。これはまだ身体が警戒しているということになり、悪くなったきっかけの姿勢などをすると消失しにくいです。ですから、調整後3日は負荷を掛けずに過ごしていただくことを勧めさせていただいています。スポーツや重要な仕事、出張で負荷がかかるといったときは、そうも言ってられませんので、皮膚の調整や、リセット体操を指導させていただいています。ご相談くださいませ。
痛みは呼吸で変わる?
過剰に出る痛みは呼吸でいくらかコントロールできます。鼻から吸って口から出す、これだけでもいいです。もう少し効果的にするには、長く呼吸をします。しかし、それよりは、早い呼吸や意識した呼吸を止めずに繰り返すことからするといいです。仰臥位で寝てすると呼吸効率も上がっていいです(背骨が伸びるため)。慢性的なものに関しては、リラクセーションエクササイズがお勧めです。動画で話していますので参考にしてみてください。