産後の膝の痛み
2022/04/13
膝の前面の痛み
運動機能としてはルートからの脱線が確認されました。
2ヶ月前よりしゃがむたびに膝前面に痛みがあり、30代前半の女性会員さん。痛くなりはじめは出産と重なり、それが関係して可能性は高いと思われます。
まず、妊娠時の負荷を考えてみます。お腹が大きくなるにつれて、重心が前に行くために腰のカーブ(前弯)が強くなり、必然的に腰椎椎間関節に負荷がかかります。それにより関節に引っ掛かりが起き、周りの筋肉に張りを起こし、さらに負荷がかかれば痛みが出現し、ことの重大さを教えてくれます。ときには身体全体に症候をおこし、自律神経の不調をきたす場合もあります。足の張りを感じた場合は、ここの関節の引っ掛かりが原因が非常に多いです。
膝に関しては、体重増加に伴い歩き方が変わっていきます。お相撲さんを想像していただきたいのですが、足の横の幅を大きく取って歩いていますよね。この歩き方は安定性が増すというメリットもありますが、歩行となると進行方向と異なる横方向に膝が移動し(側方スラスト)、これが直接な負荷となります。機能的には本来通るべきルートから逸脱してしまいます。ときには、踵の関節に引っ掛かりが起こり、膝の内側に痛みを出現させることもあります。
つぎに、出産についてですが、出産時には仙腸関節にある靭帯は緩み拡がります。そして機能障害も起こすこともあります。出産後によく骨盤矯正とよく聞くと思いますが、緩んだ状態の関節を強く動かすとかえって悪くなる危険性もあります。上下の偏移は腰方形筋の張りによるものが多く、これは別の肋骨の関節(第一二肋椎間節)が原因になりますので、仙腸関節をいたずらに触るべきではありません。
ポイントになる関節は、第一二肋椎間節、腰仙関節をはじめ腰椎椎間関節、脛骨大腿関節になります。症候が残る場合は、距踵関節、殿部に症候がある場合には仙腸関節という運びになります。
効果判定は機能の改良具合で、可動域や筋出力をみます。症候のある部位の筋スパズム(張り)も正常化したかどうかも確認します。
お困りでしたら、ご相談下さいませ。